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水性ステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)の使用

- 目眩(めまい)の治療・予防方法

突発性難聴

 中耳腔注入療法では、水性のステロイド剤(副腎皮質ホルモン剤)を使います。1970年代、私がこの療法を始めた当初は麻酔剤を利用していました。
 当時から、内耳性のメマイや耳鳴りは治療が難しいとされていましたが、中耳腔に麻酔剤を流し込むこの療法は、予想を上回るほどの結果でした。ただし、注入後に2〜3時間はメマイが続くため、患者さんは治療のたびに入院しなければなりません。身体面においても、経済面においても、負担を軽くする方法はないだろうか、そう考えた末にひらめいたのが、水性ステロイド剤の利用でした。
 ステロイド剤は、内耳の疾患に対し、機能回復を目的に全身に投与されていました。ステロイド剤には、炎症やアレルギー症状を抑え、代謝をよくするなどの効能があります。こうした全身投与による療法においても一定の結果が出ていました。だとすれば、全身に投与するよりも、内耳にターゲットを絞った方が高い効果を得られます。それは火を見るよりも明らかでした。
 実際、水性ステロイド剤を使った中耳腔注入療法では、効果も予後も良好です。実際の治療結果は、内耳からくるメマイのうち、約8割の患者さんによい結果が出ています。同時に、ほとんどのケースにおいて、耳鳴りや耳の塞がった感覚が改善されています。現在、水性ステロイド剤を使った中耳腔注入療法は欧米でも広く行われていて、ステロイド・ターゲット法とも呼ばれています。
 なお、副作用を心配される患者さんもいますが、中耳腔注入療法で使用するステロイド剤は、全身投与の10分の1に過ぎません。また、薬剤を直接体内に入れるわけではなく、中耳を通して内耳に薬液を浸透させるこの方法は、外用にあります。こうしたことから、薬害の心配はまずないと安心して下さい。実際、現在までに起こった副作用と言えば、注入後に起こる軽いメマイのみで、永続的な副作用は認められていません。

 

◇「目眩(めまい)の治療・予防方法」記事一覧◇

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