メマイ急性期の治療方法
- 目眩(めまい)の治療・予防方法

メマイの急患が運び込まれたら、医師はまず目を診ます。原因が内耳にあっても小脳にあっても、最初は右向き、あるいは左向きに眼振(がんしん:眼球が一定の方向に急速に動いてからゆっくりと元の位置に戻る動き)が生じます。
眼振は、一方的にゆっくりと向かい、スッと戻ります。そのスッと戻る方の外耳道に冷水を注入すると、メマイと眼振は止まります。たとえば、スッと戻るのが右向きの場合、右耳に冷水(3〜4℃、20ミリリットル)を注ぎます。すると、めまいや眼振が左に誘発され、差し引きで眼振が止まるのです。
一方、喉頭蓋窩(こうずがいか)を中心として生じる障害の場合には、上下に振れる垂直性の眼振を起こします。このとき下向きに振れるなら左右両方の外耳道に同時に温水(約50℃)を上向きのときには冷水を注入します。この応急処置の作用時間は、わずか10〜15分間ほどです。とはいえ、患者さんや家族の安堵感(あんどかん)は大変なもので、医師に対して絶大な信頼感が生まれます。メマイが止まっている間に、すばやく要点を問診できるメリットもあります。また、次の治療を行い、効果が出てくるまでの時間稼ぎにもなります。
一般に、内耳や前庭神経の疾患では、抗ヒスタミン剤、フェノチアジン系薬物、スコポラミンや吐き気止めなどが有効です。100〜250ミリリットルの7パーセントの重曹水の静脈注射するという治療法も良く効きます。ただし、腎臓の機能が低下している患者さんには、全体に行ってはいけません。
鎮静剤や催眠剤も、心身の安静を保つうえで効果があります。なにより大切なことは、患者さんに生命に別状のないことをよく説明させて安心させることが大事です。
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脳からくるメマイの場合、とくに血栓症(けっせんしょう)や塞栓症などの脳梗塞(のうこうそく)では、低分子デキストランにウロキナーゼという薬剤を加えた静脈注射が効果的です。この薬には、血管に詰まった血の塊(血栓)を溶かす働きがあります。脳出血の場合には、止血剤や痙攣(けいれん)を鎮める薬を使います。重症な患者さんには、5パーセントの炭酸ガスを混ぜた酸素吸入も必要です。
脳幹網様体(のうかんもうようたい)の働きを助けるために、CDPコリンや塩酸メクロフェノキサート製剤の静脈注射も有効です。脳幹網様体とは、脳幹の一部であり、筋の緊張的運動や、意識・覚醒などに関係している器官です。
また、血圧に異常が見られる時には、高圧剤や昇圧剤も必要になります。ただし、これらを使う場合には、慎重な診断が必要です。
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