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椎骨脳底動脈循環不全:激しい回転性メマイ

- 目眩(めまい)の病気(脳に起因)

突発性難聴

 椎骨動脈とは首の後ろ側を走る二本の血管で、後頭部の下面で一本になって脳底動脈と呼ばれるようになります。これらの血管の総称が椎骨脳底動脈であり、生命センターである脳幹をはじめ、平衡神経系に血液を運ぶ重要な血管です。
 古代、平衡機能の悪さは死を意味しました。平衡機能が衰えれば、敵から逃れたり、獲物を追いかけたりできなくなるからです。その機能を支える大事な椎骨動脈が、外からの影響を受けやすい首を通っているのです。椎骨動脈は椎骨という骨によって守られているからです。椎骨とは、背骨を構成する個々の骨であり、人間の場合は32〜34個の椎骨が連なって背骨をつくっています。その椎骨のうち、上から7つが首の骨、いわゆる頸椎(けいつい)と呼ばれ、椎骨動脈は、首の部分の椎骨を通る椎間孔(ついかんこう)という穴に収められて保護されているのです。また、この重要な血管が侵されると、メマイという大混乱によって注意を喚起してくれるのも、心にくい配慮ともいえるかもしれません。

椎骨脳底動脈循環不全

 椎骨脳底動脈循環不全とは一過性の脳虚血発作で、大半が回転性のメマイを起こします。耳鳴りや難聴を伴うことはほとんどありません。手足の末端の痺れをはじめとして軽重さまざまな脳神経症状、あるいは、手足が思い通りに動かなかったり勝手に動いたりする運動神経経路の症状が出ます。
さらには、小脳症状も現れます。手足や頭が震えて一瞬倒れそうになったり、気が遠くなったり、呂律(ろれつ)が乱れたり、発語がうまくできなかったりする、運動失調や運動麻痺などです。
 そうした症状のうち、どれが出てくるかは、障害された部位によって違ってきます。椎骨脳底動脈の領域が、頸髄から脳幹を経て大脳後頭葉、さらに小脳領域と広い範囲にわたるため、表に出てくる症状はさまざまなのです。
患者さんは一般に血圧が低い傾向もあります。ただし、高血圧の人であっても、血圧が急に低下したときにも生じることが多々あります。なお、椎骨動脈が椎間孔(ついかんこう)という骨にある穴を通っているために起こるメマイもあります。椎骨の変形によって血管が狭められてしまう変形性頸椎症や頸部軟部組織の異常などが生じると、血液の流れが妨げられ、平衡機能に影響が出てしまうのです。
 メマイの続く時間は、数分から数時間、あるいは数日間に及ぶものまでマチマチです。メマイに伴って、吐き気、嘔吐、発汗の異常、上下方向の眼振なども現れます。


◇「目眩(めまい)の病気(脳外科)」記事一覧◇

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