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保育園で悪い細菌がうつり、中耳炎になる!?@

  - 耳の特集

耐性菌イコール中耳炎ではありません

  急性化膿性中耳炎は、細菌感染が原因ですから、ウイルス感染とは異なり、今までは他の人に移ることはまれな疾患と考えられていました。ところが、最近、保育園内での中耳炎の集団発生の報告や、乳幼児の反復する急性中耳炎症例の約8割が保育園児であるとの報告が散見されます。このように急性中耳炎の臨床像が大きく変貌(へんぼう)してきたもう一つの要因として、集団保育の低年齢化があげられます。過去20年間の金沢市の統計によると、1歳以下の低年齢児の数は、10年ほど前から明らかな増加を示し、2000年度には1985年以前の約2倍に達しており、集団保育の低年齢化現象がハッキリと表れています。女性の社会進出のますますの増加に伴い、今後さらに低年齢児の数は増えていくものと思われます。
反復・遷延(せんえん)する中耳炎罹患児(りかんじ)では、耐性の肺炎球菌やインフルエンザ菌が鼻の奥に長期に存在し続けることが知られています。しかし、保育園児のすべてが難治性感染症になるわけではなく、保育園における耐性菌感染を考える際に、耐性菌の感染率と実際の臨床症状発現との関係を知る必要があります。

急性化膿性中耳炎(急性中耳炎) - 耳の病気


 肺炎球菌やインフルエンザ菌はいつも病原性を発揮する細菌ではなく、通常は病気を引き起こすこともなく、小児の鼻の奥に存在するのですが、身体の状態の変化(かぜなどのウイルス感染)によって病原性を発揮すると考えられています。実際に、3歳以下の乳幼児が集まる保育園での調査では、約90%の園児から肺炎球菌が検出され、耐性菌も約80%と高率であったにも関わらず、治りにくい中耳炎などがみられた園児は8%程度でした。つまり鼻の奥からPRSPが検出されたからといって、全員に除菌などの強力な治療が必要なわけではないことは明らかです。しかしながら、このように耐性菌の保菌率が高いことが、結果的に保育園児における急性中耳炎難治例の増加に結びついていることも事実です。また、保育園における時間を迫った調査からは、同時に複数の肺炎球菌が保育園内に蔓延(まんえん)しており、特に顕著な感染症の流行がなくとも、園児間でそれらが次々と感染を繰り返していることが知られています。


 確かに昨今、経口抗菌薬を用いても治癒しないような抗菌薬治療の限界を示す急性中耳炎症例が増加していることは事実です。ここで問題なのは、耐性菌感染が疑われた時に、小児に経口で使用できる有効な抗菌薬がほとんどないことと、抗菌薬の点滴静注や、場合によっては鼓膜チューブ挿入術やアデノイド切除術などの外科治療に頼らなければ制御できない、急性中耳炎の難治例や遷延例が年炎増加してきていることです。

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